無理しちゃダメ。【書評「無理しない」】

無理しない

絵本作家、葉祥明さんが書いた、語りかけるような口調の本です。詩集みたいな感じでしょうか。

私は数年前、働きすぎて「うつ病」になりました。幸い軽度(たぶん)だったようで、数ヶ月休み休み勤務した程度で、休職も退職もしないで済みましたが、ボロボロの精神状態と全く眠れない日々を経験し、本気で死にたいとも思いました。

そんな状態から立ち直っていく中で、いろいろなことを学び、仕事観や人生観は大きく、大きく、変化しました。

この本は、そんな人生観が大きく変わった時期に出会った本です。

同期から送られた一冊の本

この本、私が「うつ」になったと聞いた、遠方勤務の同期がわざわざ私に贈ってくれたものです。本の中には、一ページに数行ずつ、語りかけるように、「無理しないでいいんだよ」「無理したってできないことはできないんだよ」「無理して倒れた時、悲しむのは誰?」そういったメッセージが刻まれています。

この本を読みながら、無理なものは無理なんだな、認めなくちゃいけないんだ。という気付きと、私のことを思い、こう言って諭してくれる友人がいることを、心から噛み締めました。

いい意味で、自分を許せるようになる本

今、何かの事情で自分を許せないでいる、理想に及ばない自分を責めてしまっている方がいたら、それが自分を追い詰めてしまっている人がいたら、ぜひ、この本を読んで欲しい。そんな友人がいるなら、ぜひこの本を贈ってあげて欲しい。私もそうでしたけど、人ってバカです。この本の中にもありますが、「病気になって初めて気づく」こともたくさんあります。

でも、それでもいいと思うんです。それは手遅れなんかじゃありません。私は、「うつ」を経験して結果的に良かったと思っています。自分のことを好きになれました。自分のために生きようと思えました。多分、この本の価値に気づくのは、私とおんなじ、無理して無理して、結局、無理は無理なんだって知ってしまってからだと思います。でも、それでもいい、遅くない。

必ず、そこから学んで、これまでわかっていなかったことを、まだわかっていない人よりも深く、知って立ち上がれると思います。

そんな、この本との出会いを必要としている人のために、ご紹介したい一冊です。

没頭してる(=幸せ)な時間を過ごす方法【書評:没頭力】

没頭し続けている人生は、幸せだと思う。

吉田尚記さん(ニッポン放送アナウンサー)の書いた本、「没頭力」を読んで、「没頭し続ける人生を送りたい!」と強く感じたので、ご紹介。

没頭することを通して幸せを感じながら生きる方法を提案してくれる本です。会話調で読みやすいし、「日々をワクワクしながら生きる」を実践している人たちのエピソードが載っているので、なんとなく毎日ツマラナイと感じている人(私もすごく経験があります)に、ご一読いただきたい。

「没頭」は幸福の一要素、らしい。

作中で紹介されていますが、「ポジティブ心理学」という分野では、人の幸福は、「快楽」「意義」「没頭」の3種類に分けられるそうです。

快楽はそのまま、気持ちいいとか美味しいとか言葉通りの幸福ですね。意義ってのは、有名になるとか、社会的に認められるとか、まぁこれも一般的な幸福っぽい。で、最後の「没頭」こそがこの本の本題です。

そもそも「没頭」は、何かに夢中になってる状態のこと。これが「快楽」と「意義」と同列に幸福の3種類目に入っちゃうと。例えば趣味に没頭するとか、読書に夢中になるとか、他の二つに比べて、簡単に実現できそうじゃない?というのが、著者の主張。(もちろん没頭する対象は、いっぱいあっても良い)

美味しいものを毎日食べられるかはお財布の問題がある、有意義な人生を簡単に送れたら苦労しない。……なら、何かに夢中になり続けるのは、幸せを感じ続けるのに最良の方法じゃなかろうか。私もこの考えに共感しました。

「没頭」は「不安」から

作中には没頭(=フロー)の科学的な解釈とか、条件とかも解説されていますが、それよりも実際に「没頭力」を持って日々を生きてると思う方と対談される中で、没頭する方法なんかを掘り下げているのが参考になります。その中で、私がすごくいいな、と思った考え方がこれ。(私なりにセンテンスを混ぜて書いてます)

没頭は「不安→開き直り→没頭」というサイクルの中でのみ生まれる。自分にとって、大事なこと・価値のあることに対してだけ、不安が生まれ、その不安に立ち向かう(向き合う)とき、没頭が訪れる。

この考え方、すごく好きで、「大事だからこそ適当にはできない、だから不安になるし、それでもやる(向き合う)から、没頭できる」ってことだと思います。日々の生活で、どうしても気になっちゃうこと、自分にとっては軽く流せないこと、ってあると思います。それこそが自分の没頭できることのヒントであり、自分にとって重要なことなんだ、と気づかされました。

……私の場合、レザークラフト(何かを作ること)、読書(知識を得ること)、会社に潰されないこと(長時間労働とか休日出勤とか……)、その辺には過敏だなーと思います。みなさんも、「ここは譲れない」とか「これがコンプレックス(裏を返せば重要視してる)」ってもの、絶対ありますよね。

自分にとって大事なことだけに集中する時間=没頭 で、幸せな人生を。

この本をよんで、自分が何に価値を感じているかを改めて見定めて生きて行きたいな、と思いました。その他にも、いろんな気づきがある本だと思うので、興味が向いたらぜひご一読を。

 

【職場・人間関係を変えたきっかけ】なぜかまわりに助けられる人の心理術【書評】

職場の人間関係に悩む、私を変えてくれた本

この本は、慣れない職場で過剰な業務量と向き合わざるを得なくなり、自分一人では仕事が回らなくなった頃に出会った本です。

この本を読んで、「自分が職場で果たすべきこと」「何を目指して、周囲にどう接したら良いか」の基本方針みたいなものが、自分の中にできました。そのあとは、自分のすべき行動に「腹落ち」して、すごく生きやすくなったことを覚えています。

職場の人間関係をどう構築しようか悩んでいる方、自分の部署で自分の役割がイマイチしっくりきていない方に、オススメしたい一冊です。

職場で人に頼れなかった私。

この本を手に取った頃、私は会社の組織改編で、長年勤めていた部署が無くなり、新たなメンバーと仕事をするようになっていました。

新たな部署はとにかく人手が足りず、同僚達は連日深夜残業をこなし、土日出勤も常態化しているような状況でした。

ここではあまり詳しく触れませんが、私は3年前に発症(?)した、「うつ病」というハンデがあるので、そこまでのハードワークをすることもできず、同僚に気まずい思いをしながら日々を過ごしていました。あまり残業できない代わりに自分の担当だけは完璧にこなそう、と意気込んでしまっていた、とも思います。

そんな状況に罪悪感と葛藤を抱えている頃に出会ったのがこの本でした。

職場を居心地のいい空間にするのは、案外単純なことだった。

この本、すごく筋道立てて書かれているので、最初から読んでいけば、きっと「なるほど」と思わされてしまうとおもいます。(流石メンタリスト。)

逆に、私がここで要約しても、多分、私が一冊読んだ時と同じ納得を伝えることはできないと思うので、私がこの本で「どう変われたか」をお伝えしたいと思います。

①助けてもらうことに、罪悪感がなくなった。

文中には、「何でも自分が引き受けちゃうのはダメ。むしろ、相手から手伝ってもらえる人になろうよ」ということが書かれています。

でも、当時の私は少ない残業時間を鑑みて、自分の出来る範囲は頑張らなければ、と思い続け、「無理です助けてください」といえませんでした。

そんな自分を変えてくれたのはこの一文でした。

誰かを助けてあげた、誰かの役に立ったという精神的な充足感が、その人を幸せな気持ちにさせ、自己重要感を高めるのです。

つまり、自分を「助けさせてあげる」こと自体が相手のためになる。・・・読んだ当時はカルチャーショックを受けましたね・・・。

でも、そう思えるようになって初めて、「助けを求める自分」を自然に許せるようになりました。その結果が、下記の通りです。

 

②人にありがとう、を心から言えるようになった。

誰かが助けを買って出てくれても、助けてもらうことに罪悪感を感じている時は、申し訳ない、とは思えても、素直にありがとう、とは言えません。一応、口にはしていても、多分、心が込められない。「助けてもらうダメな自分」の感謝に、大した価値を感じられていなかったからだと思います。

でも、助けてもらったお礼として、「感謝の気持ち」が相手を幸せにできるんだ、と考えるようになってからは、本当に自然にありがとうを言えるようになりました。そして、ありがとうを言う(それで喜んでもらえる)ことが、楽しくさえなりました。

もうこうなったら、助けてもらうことに遠慮なんかありません。バンバン助けてもらって、ドンドンありがとうを返すようになりました。

さらに普段助けてもらっていると、相手が「困っているな、助けてあげられそうかな」と感じた時は自然に「手伝いましょうか」が言えるようになります。普段からお互い様と実感していたら、全然躊躇しなくなりました。

③いつの間にか、居心地が良くなった。

そんな感じで、相手に頼る、相手に頼られる、お礼とリスペクトを忘れない・・・という意識でいると、職場がどんどん居心地のいい場所になってきました。少なくとも、同僚とパートさん、派遣さんというチームではすごくうち解けて楽しく仕事ができるようになりました。意見も出やすくなったので、仕事の質も上がったんじゃないかと思います。

人に素直に頼れない、職場の人間関係がぎこちない、そんな悩みに効く一冊

そんなわけで、私にとっては本当に働き方の転機になるような一冊でした。

もし、私と似たような悩みを抱えている方がおられたら、手に取っていただきたい一冊です。読みやすいし、長くもないので、半日くらいで読めますよ。

(2015年刊行なので、ちょっと昔の本です。私自身、BOOKOFFで偶然出会いました。私と同じ悩みを抱えた貴方に届くといいな、と思います。)

一歩め

みなさま初めまして。

坂本あるく、と申します。

きょうからBLOG「好きなこと、全部」を始めます。

いま好きなことに関すること、感じたこと、読んだ本、夢中なこと。雑多なジャンルにまたがって発信をして行きます。

そのうち一つでも、貴方の興味と一致して、何かを生みだすきっかけになったらいいな、と思っています。

それでは、よろしく。